東響コーラス
東響コーラスは今
東響コーラス 委員長 井之上隆太 (2007.1.19)
あけましておめでとうございます。
昨年は東京交響楽団創立60周年にあたる年ということで,私たち合唱団も,文字通りの「60周年記念コンサート」への出演や,京都市交響楽団との共演の「シェーンベルグ;グレの歌」,「ヤナーチェク;マクロプロスの秘事」など,日本ではあまり演奏されない曲を含め,多くの演奏を行ってまいりました。また,年末には恒例の「第九」を演奏しましたが,こちらも盛況に終えることができました。これも皆様方のご支援によるものと団員一同感謝しております。
そして今年はというと,東響コーラスの創立20周年にあたります。
東響コーラスは,東京交響楽団専属の合唱団として1987年に設立されました。以来,古典から現代曲まで数多くの演奏を行ってきています。私自身が入団したのは1991年であり,当団の歴史のすべてを知っているわけではありませんし,また,手前味噌にはなりますが,これまでの歴史の中で個人的に印象に残ったイベントをあげてみます。
まず始めにあげられるものとして,「シェーンベルグ;モーゼとアロン」の演奏があります。これは東京交響楽団400回記念公演として企画されたもので,合唱団団員一同とても苦労し,何とか暗譜で表現できるところまで持っていった公演でした。また,「三枝成彰;レクイエム」初演も印象に残った演奏会の一つです。そして,エルガーの3部作である「神の国」,「使徒たち」そして「ゲロンティアスの夢」も団員にとって印象深く,また,良い評価を頂けた演奏と思っています。他には,初の海外公演としてイスタンブールでのトルコ国立歌劇場合唱団との共演(これは9・11と重なり大変な目に会いましたが),姉妹団体となる"にいがた東響コーラス"の設立や,ミューザ川崎オープニング記念の「マーラー;千人の交響曲」公演などがありました。もちろんここにあげたもの以外でも,印象深いものはたくさんあります。これからの20周年に向けて,もっと多くの方々の印象に残る演奏ができればと思っています。
そして今年は,西本智実さんによる「ヴェルディ;レクイエム」を始め,「モーツアルト;レクイエム」など20周年記念としてのステージがあります。曲目としてはポピュラーなものであり,これまでにも幾度か演奏してきた曲です。しかし今年は,これまでの私達の演奏を超えるように,また,できるだけ多くの方々の印象に残るような素晴らしい演奏を目指したいと思います。
東響コーラスは,この20周年記念の年を「飛躍の年」として位置付け,団員一同力を合わせて頑張っていきたいと思います。
今後とも東響コーラスをよろしくお願いいたします。
東響コーラス 副委員長 塩本知久 (2006.12.17)
2006年の東響コーラスの公演もいよいよ年末の第九を残すのみとなりました。出演オーディションも終わり、今は本番前の最後の仕上げを迎えています。
入団したときは、仕事との兼ね合いから1公演限りが限界だろうと思っていた(最初は、1公演に限って参加する特別団員でした。)のに、気がつけばそれからもう5年間も東響コーラスで歌い続けています。
この間に参加したたくさんの公演を拾い上げてみれば、東響コーラス入団のきっかけとなった東京と新潟の両東響コーラス合同演奏によるマーラー「千人の交響曲」(東京交響楽団創立55周年記念演奏会)、独特のリズム・和声や旋律と苦闘したヤナーチェクのオペラ「死者の家から」(日本初演)、英語の歌詞による長大な物語に暗譜で臨んだエルガーのオラトリオ「使徒たち」(日本初演)、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」(ベリオ補作版での日本初演)等々いくつもの公演が思い浮かびます。いずれも日本の演奏史上で大きな意義を持った演奏会で、かつ演奏自体も大変高く評価されたものでした。そのような評価をいただけたのは、企画、指揮、オーケストラ、ソリストなどのすべての要素がすばらしかったからですが、合唱団員の一人一人が音楽と真摯に向かい合い、持てる力の限りを尽くしたことも一助になっているだろうと自負しています。
ここに挙げた4つの演奏会は、オーケストラはもちろん東京交響楽団ですが、偶然にも、それぞれ指揮者が違い、その上合唱指揮(合唱指導)も違う方が担当してくださいました。東響コーラスは、固定された合唱指揮者がおらず、公演毎にその曲の指導者として最も適した方を楽団が招聘するシステムを採っています。アマチュア合唱団の多くが特定の指導者を持っている中で、これは東響コーラスの大きな特徴の一つでしょう。お招きする指導者はいずれも日本を代表する指導者ばかりですから、こんな贅沢な団体は他にないといってよいのではないでしょうか。その上、合唱団の運営経費はすべて楽団が負担してくれるので、団員は楽譜代等の他は一切負担がありません。東響コーラスが東京交響楽団の公演を成功に導くために不可欠な音楽的パートナーだという信頼関係(!)があるからこそ、このような形での運営が19年間にもわたって続いてきたものだと思います。
この年末の第九が終われば、また、ヴェルディのレクイエム、モーツァルトのレクイエムとハ短調ミサ、ヴォーン=ウィリアムスの「海の交響曲」などたくさんの名曲、大曲が予定されています。来年もまた、オーケストラの期待と、お客様の暖かい拍手に応えるために、東響コーラスで歌い続けていきたいと思っています。
バス 鳥居夕紀夫 (2006.2.15)
東響コーラスは今、6月公演のシェーンベルク作曲「グレの歌」に向けて2006年1月13日から練習をスタートしました。
東京交響楽団創立60周年、京都市交響楽団創立50周年の記念合同演奏会です。指揮者の大友先生が東京交響楽団と京都市交響楽団の常任指揮者であることから実現した、まさに「メモリアルコンサート!!」
合唱指揮に三澤洋史先生を迎え大曲に挑みます。
大曲のため、「グレの歌」のための特別団員を加え、いつにも増してパワー全開の演奏になることと思います。
とかくスケールが大きい曲は迫力で圧倒する演奏になりがちですが、東響コーラスは、迫力だけでなく緻密な演奏をも目指しています。
このコーラスは出演者決定オーディションがあり、これを通過しないと出演できないなどの厳しいシステムになっており、これにより高いレヴェルを目指すことができます。
こうしてメンバーの一人一人がかなりの努力をしていますので曲に対して自分の役割が認識でき、良い演奏につながっていくものと信じています。
とはいうものの、シェーンベルクは手強い曲で、歌う場所によっては男声が12声部に分かれるなど、悪戦苦闘しながら毎回練習をしています。
東響コーラスは過去にもシェーンベルクの作品で「モーゼとアロン」、「ヤコブのはしご」の難曲を演奏した実績があります。「グレの歌」は今回で3回目の挑戦です。
お金儲けに走りがちな世の中で、そうでない、人間のパワーを感じたり心から感動していただける時間を、演奏を通して提供できればと思っています。
皆さん、6月にサントリーホールでお待ちしております。
東響コーラス委員長 井之上隆太 (2006.1.1)
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年の東響コーラスの活動を振り返ってみると,「エルガー;ゲロンティアスの夢」に始まり,「ドイツレクイエム」,「トゥーランドット」,「カルミナ・ブラーナ」,「惑星」,「メサイア」などといった大曲続きの1年間でした。しかしいずれもお客様より好評を頂くことができ,団員もとてもやりがいのあった1年間でした。
この間に多くの指導者にご指導いただき,また,いろいろな演奏家との音楽的出会いもありました。そのようないろいろな方を通じて,私たちの音楽は少しずつかと思いますが,成長を続けていると信じています。
さて,今年は東響コーラスにとってどのような年になるのでしょうか。今年は東響コーラスにとっては創立19年目にあたり,東京交響楽団にとって創立60周年の年にあたります。
その今年最大のステージは,60周年記念公演のひとつである「シェーンベルク;グレの歌」でしょう。グレの歌は東響コーラスにとって大きな意味のある曲です。といいますのも,東京交響楽団はこの曲を約20年ほど前に演奏をしましたが,アマチュア合唱団を幾つか集めただけでこのような大曲を演奏しきるのは困難であったという経験をしました。そのときの経験から合唱曲においてもより高い音楽的な質を求めるために専属の合唱団を作ろうという話があり,そこでできたのが東響コーラスだからです。今年はそのような意味を持つグレの歌を始め,いくつもの演奏を行っていきます。
東響コーラスは,プロオーケストラで歌うことができ,多くの素晴らしい演奏家を始め,合唱指導者や発声指導者とともに音楽を創り上げています。入団時や1回毎の出演時にはオーディションというキビシイ面や,良い演奏を行っていくために暗譜をするまで音楽を体に入れていくという努力も時に必要にはなりますが,会場で多くの聴衆と感動を分かち合えたときの喜び,達成感はひとしおです。
私達はこれからも聞き手を感動させられるような演奏を目指して頑張って行きたいと思います。
今年も東響コーラスを何卒よろしくお願い申し上げます。
アルト パートリーダー 木田由紀子 (2005.12.5)
東響コーラスでは今、12月に公演予定のメサイアと第九の練習を並行して行っています。忙しい毎日ですが、辻先生と大谷先生に代わる代わる指導していただけるなんて合唱を志す者にとっては最高の贅沢です。辻先生はほ〜んわりと大谷先生は何とも言えないセクシーさによって、お二方ともその発言・動き(?)に、練習では笑いが絶えません。
さてこんな贅沢が許されるのも東響コーラスには団費がない分、プロオケ付属の団として高い演奏レベルを維持しなくてはならない、という使命があるからです。そのため公演ごとにオーディションに受からなければ舞台には立てません。この直前1週間は本当に憂鬱です。趣味なのにそこまでして何でやっているの?と聞かれるかもしれません。
高いレベルの演奏がしたいからであるのはもちろんですが、何よりも音楽について真剣に話し合える相手がここにはたくさんいるからです。
物事に熱中することは格好悪いと言われる昨今ですが、東響コーラスではたった一つの音の高さや音色について一生懸命悩んだり、お互いに意見を言い合ったりしています。そんな姿を見ていると「いい合唱団だなあ〜」と人事のように嬉しくなります。知らない人から見たら無駄なことと思われるかもしれません。でもそんな一見無駄なこだわりの積み重ねが、演奏会では花開くと信じています。